天皇制反対の朝日新聞

【社説】*1
2006年02月02日(木曜日)付

寛仁さま 発言はもう控えては

 皇位継承のあり方をめぐり、天皇陛下のいとこにあたる寛仁(ともひと)さまの発言が相次いでいる。

 昨年、会長を務める福祉団体の機関誌に随筆を寄稿したのに続き、月刊誌「文芸春秋」などでインタビューに応じた。さらに産経新聞と、同社が発行する雑誌「正論」にインタビューが載った。

 初代の神武天皇から連綿と男系が続いているからこそ皇統は貴重なのだ。戦後に皇籍を離れた元皇族を復帰させるなどして男系維持を図るべきだ。いずれもそうした趣旨の発言である。

 小泉首相から皇位継承のあり方を諮問された有識者会議は、女性天皇やその子の女系天皇を認める報告書をまとめた。政府はこの報告書に沿って皇室典範の改正案を準備中だ。

 寛仁さまの発言は、この報告書や首相の方針に異を唱えるものである。

 だれを天皇とすべきか。皇位継承天皇制の根幹にかかわる問題だ。国民の間で大いに論議しなければならない。

 皇族にも様々な思いはあるだろう。自らにかかわることだけに当然だ。だが、それを外に向かって発言するとなると、どうか。改めて考える必要がある。

 当事者である天皇や皇族がどう考えているのかを知りたいと思う人もいるだろう。自由に話をさせてあげたらいい、という人もいるにちがいない。

 皇太子妃の雅子さまが体調を崩したときに、私たちは社説で、心のうちを率直に語ったらどうかと主張した。

 しかし、今回の一連の寛仁さまの発言は、皇族として守るべき一線を超えているように思う。

 寛仁さまはインタビューで「皇族は政治にタッチしないという大原則があります」と述べている。その大原則に反するのではないかと考えるからだ。

 憲法上、天皇は国政にかかわれない。皇位継承資格を持つ皇族も同じだ。

 寛仁さまは皇位継承については「政治を超えた問題だ」と述べている。歴史や伝統の問題ということだろう。

 しかし、天皇制をどのようなかたちで続けるかは国の基本にかかわることで、政治とは切り離せない。まして、いまは政府が皇室典範の改正案を出そうとしている時期である。

 たとえ寛仁さまにその意図がなくても発言が政治的に利用される恐れがある。それだけ皇族の影響力は大きいのだ。

 天皇は日本国民統合の象徴だ。国民の意見が分かれている問題では、一方にくみする発言は控えた方がいい。これは皇族も同じである。

 天皇陛下は記者会見でたびたび女性天皇皇位継承について質問されたが、回答を控えてきた。皇太子さまも会見で質問されたが、やはり答えなかった。

 おふたりとも、憲法上の立場を考えてのことにちがいない。

 寛仁さまひとりが発言を続ければ、それが皇室の総意と誤解されかねない。そろそろ発言を控えてはいかがだろうか。


「国民の間で大いに論議しなければならない」が、天皇制廃止は朝日新聞が取り組みたい政治的課題なので男系天皇を擁護するような意見は慎むべきなのだそうだ。


これが「女系天皇容認」の意見ならば「英断」「進歩的」「国民に愛される」と高評価なのが分かりきってしまうのが朝日新聞クオリティというものだろう。


天皇制というか、王室が問題になるのは、某東アジアの国が「軍国主義ry」と叫ぶ口実になるのと、遠い将来に「東アジア共同体」とか「環太平洋連邦」などが結成されるときの国家元首問題となる・・・かもしれないという程度だろう。


身分制度名残とか、なんとか平等に反するとかいう連中もいるけど、仮にも2000年続いた伝統をほいほいと投げ捨てられるものかと思う。
大相撲が女性を土俵にあげないことで問題になったけれども、じゃぁ相撲協会の人たちは女性蔑視なのか?


否。それが伝統として受け継がれてきたから土俵に上げないわけで。


かつて明治開国以降は近代化・脱亜入欧の名の下に日本の文化を捨ててきた。
現在でも、伝統工芸は慢性的な後継者不足に悩んでいる。


それでもまだ伝統工芸は、いつか誰かが研究を重ねれば「復活」することはできるかもしれない。
でも皇室の伝統を一度中断してしまっては、もう取り返しがつかないことになる。


ボクは取り立てて皇室に愛着がある人間ではない。
かなり失礼なことを承知で言えば、皇室という伝統は重要文化財の一つだと思っている。


むしろ世界遺産に登録したいぐらいだよ、ほんとに。




朝日の世論調査は情報操作?! 〜皇位継承を考える(11)〜*2